不具合の箇所
家を売る際には、住宅情報誌やインターネットサイトで興味を持った人が見学を希望してくることがあります。
この場合、都合のいい日を選んで見学者を招くことになりますが、そのときには見学者に不具合を含めて正しく家の情報を伝えるべきです。
まずおさえておきたいことは、見学している人に家の状況を正しく伝えたからといって高く家を売ることができるわけではないということです。
不具合も含めてすべて伝えると、大抵は売り出し価格より安い値段がつけられて家を売ることになります。これは取引の性質上当然の流れといえます。
一方、中には、見学をしている人にマイナスの評価をされるくらいであれば、いっそのこと不具合を伝えないほうが高く家を売ることができるのではないかと考える人もいるでしょう。
確かに、マイナス評価をされそうな部分を公表しなければ、見学している人に高く評価されやすいため、高く家を売ることができる可能性は広がるでしょう。
しかし、これは非常にリスクを伴います。
なぜなら、売主から買主に家が引き渡されたあと、新所有者が建物内に欠陥を発見したとき、それが見学時や売買契約時には公表されていなかったものであれば、売主に瑕疵担保責任が発生し、買主から損害賠償や契約解除を求められる場合があるからです。
見つかった欠陥の程度によっては、売主本人だけでなく、仲介業者や施工業者も責任を問われ、大きなトラブルとなってしまいます。
このようなことが起こらないようにするためにも、見学をしにきた人に対しては家に関する情報は可能な限りすべて示すようにしましょう。